泳ぎ方の基本クロールの自然な息継ぎを身に着けよう

長い間、たくさんの距離を泳ぐときに必要なことが息継ぎです。

しかし息継ぎはとても難しくて、正しい息継ぎの方法やタイミングを身に着ける必要があります。息継ぎをすることで、タイムロスもありますので、競泳選手の中には、できるだけ息継ぎの回数を減らす人もいます。

2017年、競泳の池江 璃花子選手が、ノーブレス(息継ぎなし)で50mを泳ぎきるという泳法で、日本新を出したことがニュースになりました。息継ぎなしで泳ぐことは、とても苦しいけれど、それだけタイムが速くなるということですね。

しかし、この方法は誰でもできることではありません。一般的には、25m50mと泳ぐ時には息継ぎはとても大切なことです。

泳ぎ方の基本!息継ぎのコツをつかむ

 

①プールの外で練習

クロールの息継ぎは、腕の動き、ストロークのタイミングで息継ぎをします。息をするときは、鼻から息を吐きだしますが、この時口を閉じて「ンー」というような感じで吐き出します。

次に口を開いて「パッ」というように息を吸います。ンーと息を吐いた時にへこんだお腹が、パッと息を吸った瞬間に、お腹がもとに戻ります。腹式呼吸をしている証拠ですね。

水に入る前に、プールサイドやお風呂の中でこの呼吸方法を練習しましょう。繰り返して練習し、プールの中でも自然にできるようにします。

プールが嫌いになる理由に、鼻から水が入って気持ちが悪かった、という経験をよく聞きますが、鼻から息を吐く、ということが自然にできるようになると、これがなくなります。

外で楽に呼吸ができるようになったら、いよいよ水に入ります。

②水の中で練習

次はいきなり泳ぐのではなく、立ったまま腕を伸ばして顔だけを水につけて、練習をします。はじめはバディに見てもらいながら、練習をします。

あまり意識をしすぎると、力が入りすぎて肝心のクロールになったときに、水に浮かぶことができません。肩の力を抜いて、自然な姿勢で呼吸の練習をします。

水に顔を付ける時は「ンー」とできるだけ長く鼻から息を吐きだします。顔を上げた瞬間、「パッ」と息を吸います。合唱や吹奏楽をやっている人は、ブレスのタイミングが四分休符、八分休符という短い時間で、息を吸うことを練習しています。水泳で息を吸うタイミングもそれに近い短さになります。

人間は空っぽになるほど息を吐きだしてしまうと、瞬間的にたくさん息を吸うことができるそうです。

「ンー、パッ」が上手にできるまで練習をしましょう。

腕の動きに合わせて息継ぎをする

腕の動きに合わせて息継ぎをする

①顔を上げる方向

クロール時息継ぎは、顔を横に向けて息継ぎをしますが、右に向けばいいのか、左に向けばいいのか迷いますね。特に子どもの場合は、体が柔らかいためどちらにも簡単に首が動きます。自分の顔が向きやすい方向が決められずに迷うこともあります。

しかし誰にでも利き手のように、顔を上げる方向も自然に上がる向きがあります。

どうしても迷う時は、後ろから誰かに名前を呼んでもらいます。首が後ろに向きやすい方向がわかります。名前を呼ばれた時に振り向いたほうが、自然と顔が上がる方向になります。子どもの場合は、理由を伝えずに自然と振り向かせるようにしましょう。

②腕の動きとタイミングを合わせる

次に腕の動きに合わせて、顔を上げるタイミングを練習します。

水の中に立ったまま腕を前に伸ばし、顔を水に入れます。初めに息をたくさん吸って、顔を水に入れます。右側が顔を上げる方向の人は、左手を大きく回し、鼻から息を吐きだします。

左手が入水する時に、右腕を回し始めると同時に、顔を横に向けます。その時に口からパッと息を吸います。この時バディの人は、左腕の肘が伸びているか、耳の後ろがその腕の肘の上についているかを確認します。

上手にできないときは、左腕を枕にするように横に寝そべることをイメージしましょう。

顔を上げる時は、頭ごと上げるのではなく、あごを上げるようにします。顔全体を上げようとして天井を見るように頭を回転させてしまうと、身体のバランスが崩れ、余計な力が入ってしまいます。上げた顔の四分の一くらいは水に入ったままで、口だけが水の外に出るくらいになります。

余裕が出てきたら、顔を出す方の腕の位置と顔を出すタイミングをつかみます。顔を出す方、この場合は右腕の手の先が、顔の下に来たら、その指先を追うように目線を動かしていきます。

すると、水をかき終わった右腕が水面に出てくるとき、それと一緒に右の方向に顔が自然に上がってきます。

息を吸ったら、顔を先に水にもどして、右腕を回し入水するようにし、最初の形に戻ります。いつまでも目で指先を追っていると、タイミングが遅れて、余計な動きをしてしまいます。顔の方が腕よりも早く入水する、を覚えておきましょう。

息もゆっくり大きく吸うのではなく、瞬間的にパッと吸うことを思い出してください。

左側に顔を上げる人は、この方法を反対の腕で行います。

脚は使わずに、はじめは腕と呼吸だけで練習をしましょう。上げる顔の高さと、腕に合わせてタイミングよく呼吸をすることが自然にできるよう身に着けます。

足に合わせて練習

子どもが練習する場合は、大人がバディ、つまり補助者になって脚を軽く曲げて、子どもを太ももの上に乗せるようにして、足を水に浮かせて練習をします。

子どもでも大人でも、ビート板を使って練習をすることができます。

顔を上げない方でビート板の上にしっかりと手のひらが乗るように持ちます。息継ぎをする腕の方だけを回して、顔を上げて息を吸う練習をします。

息を吐きだすときは両腕が前に来ていますが、吸う時は顔を上げる方の腕が回る、というタイミングをつかめるようにしましょう。息継ぎをするときは、伸びた手を前方に出しながら、息を吸う方の肩を上にあげて顔も上げる、というコツをつかみます。

どうしても足をバタバタさせると、腕の動きと息継ぎがうまくいかないという人は、家の中でイメージトレーニングをしましょう。

一番簡単なのは、布団の上にうつぶせになっての練習してみましょう。

息継ぎの目安

 

誰でも、息継ぎはしないで済むものなら回数を減らしたい、と思うものです。学校にある25mプールを泳ぐとき、身長差もありますが、ストロークの回数が1520回になるた、え息継ぎは710回行っています。

はじめに数m泳いでからストロークを始めるとしても、多い人は7回以上の息継ぎが必要になります。そこで、毎回腕の動きと一緒に息継ぎをするのではなく、右腕が外に出る2回に1回だけ息継ぎをします。すると、25m34回の息継ぎで済みますね。

特に身長が高い人よりも低い人の方が、ストロークが短いため、回数が多くなります。速く泳ごうとしても、それだけ不利になります。そこで、1回でも負担を減らすために、2回に1回のペースで息継ぎをしてみましょう。

クロールは基本的に、右で息継ぎをするもの、左で息継ぎをするものという決まり事がありません。ただ、自分がやりやすい方向で息継ぎをするのが基本になります。ここで左右どちらでも、息継ぎをすることができるという人は、ストロークの回数やタイミングを考えずに息継ぎをしている人もいます。

息継ぎは、無理に形を決めて、身体が固くなったり、息を吐きだしすぎて肺が空っぽになって、水よりも身体の比重が重くなったら、意味がありません。リラックスした姿勢で、自然に息継ぎをすることが大切になります。

また、最初に鼻から息を吐くとありましたが、早く吐き出すためには、鼻から吐き出すだけなく、口からも吐き出して大丈夫です。水中では常に、8割ほどの空気を吐き出すようにします。

まとめ

息継ぎが苦手だから水泳が苦手、という人がたくさんいます。しかし、逆に息継ぎがスムーズにできるようになったら泳ぐことが苦ではなくなった、という人もいます。

上手な息継ぎが自然にできるように身に着けて、楽しく安全で安心な水泳の時間を過ごしましょう。